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Javaはなにができるプログラミング言語?初心者向けに解説

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Java(ジャバ)は、1995年に米国サン・マイクロシステムズ社(現在はOracle社)が開発したプログラミング言語です。登場から約30年近く経った今も世界中で広く使われており、Googleが社内開発で用いる三大言語(Java、C++、Python)の一つにも数えられるほど人気があります。Java最大の特徴は「Write once, run anywhere(一度書けばどこでも動く)」というスローガンに表されるように、高い移植性(プラットフォーム互換性)を持つ点です。つまりJavaで書いたプログラムは、WindowsでもMacでも一度のコードで動作させることができます。

なぜJavaはこれほどまで人気なのでしょうか?本記事では、JavaでできることJavaの活用領域を初心者にもわかりやすく解説し、代表的なJavaフレームワークの活用事例、さらに最新のJava人気ランキングエンジニアの年収・求人動向まで紹介します。記事を読むことで、Javaの幅広い活用分野や将来性が理解でき、これからJavaを学ぶべきか判断する助けになるでしょう。

Javaが活用される主な分野は?

Javaはその汎用性の高さから、様々な分野のソフトウェア開発に利用されています。主な活用領域として、以下のような分野が挙げられます。実際のJavaの利用例として、金融系の基幹システム、SNSサービスのバックエンド(例:Twitter/X)、大規模ECサイト(例:Amazon)、Androidスマホアプリ、PCゲーム(Minecraft)、さらにはカーナビやBlu-rayプレーヤーの組込みソフトまで、多岐にわたる事例が挙げられます。このようにJavaは「オールラウンドプレーヤー」とも言える存在で、あらゆる開発分野でその力を発揮しています。

金融システム

銀行の勘定系システムや証券取引システムなど、高い信頼性とパフォーマンスが要求される金融分野でもJavaが多用されています。長年にわたり培われた実績から、基幹系のシステム開発においてJavaは事実上の標準言語となっています。

組み込みシステム

家電やデバイス上で動作するソフトウェアにもJavaが組み込まれることがあります。カーナビゲーションシステムやBlu-rayプレーヤーにはJavaベースの技術が採用されており、Blu-ray規格では高度なメニュー機能実現のため「Blu-ray Java(BD-J)」が全プレーヤーに搭載されています。軽量版Java(Java ME)やJavaカード技術により、ICカードやIoTデバイスでもJavaが活用されています。

Web開発

サーバーサイドのWebアプリケーション開発で広く使われています。企業の業務システムやECサイト、SNSのバックエンドなどでJava製のWebシステムが多数稼働しています。堅牢性が求められる大規模Webサービスの構築に適しています。

モバイルアプリ開発(Android)

Androidの公式開発言語の一つとして採用されており、スマートフォン向けアプリ開発に利用できます。特に世界的に見ればAndroid端末のシェアは非常に高いため、Androidアプリ開発でJavaスキルへの需要も依然大きいです。

デスクトップアプリ開発

クロスプラットフォームなGUIアプリケーションを作成できるため、業務用のデスクトップアプリやツール開発にも使われます。例えば有名なPCゲーム「Minecraft」はJavaで開発されており、PC上で動作するJavaアプリの代表例と言えるでしょう。

ビッグデータ・AI

大規模データ処理基盤であるHadoopはJavaで実装されており、Apache SparkなどJava仮想マシン上で動くビッグデータ処理基盤も普及しています。また機械学習ライブラリのDeeplearning4jや、Java製のMLフレームワークTribuoなども登場しており、データ分析やAIの分野でもJavaの活躍が見られます。特に企業システムで蓄積したビッグデータを活用するケースでは、既存のJava資産を活かしてAI機能を組み込む例もあります。

Javaの特徴とメリット

Javaがこれほど幅広く使われる背景には、言語自体の優れた特徴と多くのメリットがあります。ここでは代表的なポイントを解説します。このようにJavaは扱いやすさ(学習のしやすさ)と強力な実行基盤を兼ね備えた言語であり、初心者が基礎を学ぶにも、プロが大規模システムを構築するにも適した存在と言えます。では、実際の開発現場ではJavaを使ってどのようなフレームワークで開発を行っているのでしょうか?次章では、Javaの代表的なフレームワークとその活用事例を紹介します。

本格的なオブジェクト指向

Javaは典型的なオブジェクト指向プログラミング言語です。オブジェクト指向とは、プログラム上の機能を「モノ(オブジェクト)」として捉え、あらかじめ定義したオブジェクトの属性や動作を組み合わせて処理を構築する考え方です。この手法によりコードの再利用性が高まり、大規模開発でも複数人で効率良く開発できます。一度オブジェクト指向の考え方を習得すれば扱いやすく、バグの発生も抑えやすいという利点があります。Javaでオブジェクト指向の基礎を身につけておくことは、プログラミング初心者にとってその後の大きな財産になるでしょう。

高いプラットフォーム互換性

Javaで書かれたプログラムは、どのOS上でも同じように動作します。Javaコンパイラはソースコードを一度中間コード(バイトコード)に変換し、各OS用のJava仮想マシン(JVM)がそのバイトコードを実行する仕組みです。これにより「一度書けば、どこでも動く」という環境非依存性が実現されています。開発者は動作環境を意識せずコーディングでき、利用者側も自分のOSに合ったJVMさえ入っていればJavaアプリを動かせます。

豊富なライブラリと高い汎用性

Javaには標準ライブラリ(API)が充実しており、文字列処理やネットワーク通信、データベースアクセスなどあらゆる機能を提供しています。加えて、世界中の開発者コミュニティによるオープンソースのフレームワークやライブラリも膨大に存在します。必要な機能の多くは既存のライブラリを組み込むだけで実現でき、一から車輪の再発明をする必要がありません。こうした豊富なツール群のおかげで、JavaはWebアプリからAIまで用途を問わず活用できる汎用性を備えています。また、大規模開発で求められる拡張性・保守性や堅牢性の高さもJavaの強みであり、他言語にはない安心感を持ってプロジェクトを進められます。

自動メモリ管理(ガベージコレクション)

C言語やC++ではプログラマ自身がメモリ管理を行う必要がありますが、Javaには**ガベージコレクション(GC)**という仕組みがあり、不要になったメモリ領域を自動解放してくれます。この機能により、低レベルのメモリ管理を意識せずに済み、メモリリーク(解放忘れ)などのバグを防ぎやすくなっています。プログラミング初心者でも比較的安全に開発できるポイントの一つです。

大規模ユーザによる安定性と信頼性

Javaは長年にわたり世界中で使われてきた実績があり、言語仕様や実行環境が非常に安定しています。万一言語やライブラリに不具合が見つかっても、利用者が多いため修正・改善が素早く行われます。またセキュリティ面でも実績が豊富で、大企業や官公庁でも安心して採用できる信頼性があります。現在も半年〜1年ごとに新しいJavaのバージョンがリリースされており(2024年時点の最新はJava 21、間もなくJava 22がリリース予定)、言語として進化が止まっていない点も将来にわたる安心材料です。

Javaの代表的なフレームワークと活用事例

Javaには開発を効率化するためのフレームワーク(開発枠組み)が多数存在します。ここでは中でも代表的なSpring Framework, Hibernate, Strutsの概要と、その活用事例を見てみましょう。

Spring Frameworkとは?(概要・特徴)

Spring Framework(スプリング・フレームワーク)は、エンタープライズJavaアプリケーション開発のためのオープンソースフレームワークです。2000年代以降、Javaのサーバーサイド開発では事実上の標準とも言える存在で、現在最も人気の高いJavaフレームワークと評価されています。Springの核となるコンセプトは「DI(依存性の注入)」と「AOP(Aspect Oriented Programming)」で、これによりオブジェクト間の依存関係をフレームワークが管理し、横断的な処理(ロギングやトランザクション管理など)を簡潔に記述できます。要するに、Springを使うことで大量のボイラープレート(定型コード)を書かずに済み、開発の生産性と保守性が飛躍的に向上します。

SpringはWebアプリケーション開発向けにも充実した機能を提供しており、Spring MVCによってMVCアーキテクチャのWebアプリを構築できます。また、近年登場した派生プロジェクトのSpring Bootを使えば、面倒な設定を最小限にして素早くWebアプリを立ち上げることが可能です。実際、多くの企業がSpring/Spring Bootを採用しており、例えば大手IT企業のLINE株式会社では自社サービス「LINEキャリア」のWebアプリケーション基盤にSpring Bootを採用しています。他にもNetflixやAmazonといったグローバル企業がマイクロサービスアーキテクチャでSpringを活用していることが報告されています。こうした実績からも、SpringはJavaでWebやクラウドサービスを開発する際の第一選択肢となっています。

Hibernateとは?(概要・特徴)

Hibernate(ハイバネート)は、Java向けのオブジェクト関係マッピング(ORM)フレームワークです。ORMとは、オブジェクト指向のデータモデルとリレーショナルデータベースのテーブル構造を対応付ける技術のことで、HibernateはJavaのオブジェクトとデータベースのテーブルを自動的にマッピングし、保存・読み出ししてくれます。これにより、開発者は直接SQL文を書くことなく、Javaのオブジェクト操作だけでデータベースとやりとりが可能になります。Hibernateを使った場合、例えば「ユーザ」というJavaオブジェクトをsave()
メソッドで保存すれば、裏側でINSERT文が実行されデータベースにレコードが登録される、といった具合です。

HibernateはJPA(Java Persistence API)というJavaの永続化機能標準仕様の実装の一つでもあり、事実上JPA=Hibernateと認識されるほど広く普及しています。データベースアクセス部分のコード量を大幅に減らせるため、企業システムでも多数採用されています。特に、複雑なSQLを書かずに開発できるメリットから、データベース操作が多い業務システム(販売管理や在庫管理システムなど)の開発でHibernateは重宝されています。Hibernateを導入することで、生産性が向上するだけでなく、データベース変更時の対応もマッピング定義を書き換えるだけで済むなど、システムの柔軟性・保守性も高まります。

Strutsとは?(概要・特徴)

Struts(ストラッツ)は、Javaの古典的なWebアプリケーションフレームワークです。Apacheソフトウェア財団によって提供されており、MVCアーキテクチャを採用したWebフレームワークとして2000年代前半に爆発的に普及しました。当時は「JavaでWebアプリ開発するならStruts一択」と言われるほどのデファクトスタンダードで、日本を含む世界中の企業や官公庁がStrutsを導入した実績があります。StrutsはServlet/JSPと連携し、リクエストをコントローラ(Actionクラス)で処理してビュー(JSP)に渡すMVCの基本パターンを確立しました。そのおかげで、画面ロジックとビジネスロジックの分離が進み、保守・管理がしやすいWebシステムを構築できるようになりました。

しかし初期のStruts(Struts 1系)は徐々に時代遅れとなり、現在では大きな脆弱性も指摘されたため新規開発で採用する企業はほとんどなくなっています。後継のStruts 2(WebWorkベース)も登場しましたが、近年はよりモダンなSpring MVCやJavaScript系フレームワークに取って代わられています。ただし、かつてStrutsで開発されたシステム自体は今も各所で稼働しており、その保守案件も存在します。したがって、エンジニアとしてはStrutsの概念を学んでMVCの基礎を理解しておくことは無駄にはなりません。また、Strutsの経験があるとレガシーシステムの改修案件に対応できる強みになる場合もあります。現在主流のSpringも基本的なMVCアーキテクチャは共通するため、Strutsで学んだ知識はSpringなど他フレームワーク習得にも役立つでしょう。

Javaの人気ランキングとエンジニアの将来性

人気ランキングで見るJavaの位置づけ

Javaは長年にわたり人気プログラミング言語の上位に位置しています。例えば、世界的に有名な言語ランキング指標である「TIOBE Index」において、2024年8月時点でJavaは第4位につけています(1位Python、2位C、3位C++に続く順位)。2025年3月の最新データでもJavaは第3位に上昇しており、依然としてトップクラスの人気を維持しています。また、GitHub上のコード量とStack Overflowでの言及量から人気を測るRedMonkランキングでもJavaは常に上位です。2024年1月時点のRedMonkではJavaが第3位(1位JavaScript、2位Python)と報告されており、他の指標でもおおむね同様の傾向です。これらのランキングから、Javaは**「最も人気のある言語の一つ」**であることが客観的に示されています。

日本国内に目を向けても、Javaの人気は根強いものがあります。ある調査では、**「未経験者が最初に学ぶべきおすすめのプログラミング言語」**として現役エンジニアからJavaが第1位に選ばれたという結果も出ています。初心者にとってもJavaはおすすめできるメジャー言語であり、その高い需要と汎用性が評価されていることがわかります。

Javaエンジニアの年収・求人動向

言語の人気はエンジニアの求人需要にも表れます。Javaエンジニアの求人は非常に豊富で、他の言語と比べても際立っています。レバテック社の調査によれば、2023年末時点でプログラミング言語別の求人数はJavaが圧倒的に多く、2位のPHPに約2.8倍もの差をつけているとのことです。また、正社員転職市場におけるJavaの求人倍率(求人件数÷求職者数)は一部では20倍以上とも報じられており、企業側の「Javaエンジニアが欲しい!」というニーズがいかに強いかがわかります。

需要が高い分、Javaエンジニアの年収水準も比較的高めです。ある統計では、会社員Javaエンジニアの平均年収は約552万円と算出されています。この金額はエンジニア全体の平均と比べても上位に位置しており、他業種の技術職より高い水準です。もちろん実際の年収は経験やスキル、勤務先企業によって幅がありますが、経験を積んだJavaエンジニアであれば年収600~800万円程度も十分狙える領域とされています。フリーランスでJava案件をこなすエンジニアでは、年収1000万円超えも珍しくありません。

では、具体的にどのような企業がJavaエンジニアを求めているのでしょうか。傾向としては、大手SIerやコンサルティング企業、金融機関、製造業の基幹システム部門、Webサービス企業まで非常に幅広い業種で求人があります。銀行の勘定系システムや官公庁の行政システムなど、ミッションクリティカルな分野で古くからJavaが使われているため、そうした既存システムの保守・追加開発要員のニーズは継続的に存在します。また、Web系企業でもJavaを使った大規模サービス(例えば通販サイトのバックエンドなど)は多く、新規プロジェクトやクラウド移行にあたってJavaエンジニアを募集するケースが後を絶ちません。さらにAndroidアプリ開発案件も定番ですので、モバイル系人材としてJava経験者が歓迎される場面もあります。

総じて、Javaエンジニアの需要は現在も非常に高く、求人市場でも有利な立場にあると言えます。特に業務系システムではJavaの知見を持つ人材が重宝されるため、Javaを習得しておくと就職・転職で選択肢が広がるでしょう。

Javaの将来性はどうなる?

近年、「PythonやJavaScriptなど他言語の台頭でJavaの将来性を不安視する声」も一部で聞かれます。しかし結論から言えば、Javaの需要が今後すぐになくなることは考えにくいです。というのも、前述のように既に世の中にはJavaで作られたシステムが無数に存在し、それらの保守・運用にはこれからもJavaエンジニアが必要だからです。実際、大企業や官公庁の基幹システムにJavaが使われている限り、Javaエンジニアの仕事がゼロになる可能性は限りなく低いでしょう。

新規開発においても、Java自体がバージョンアップを重ねて進化していることや、クラウドネイティブ開発に対応した新技術(マイクロサービス向けのSpring BootやKotlinなど)の登場で、Javaプラットフォームは現代的な開発にも適応しています。むしろ、長年使われて洗練されたJavaは技術的に安定しており、**「大規模開発を任せるならJava」**という企業の信頼も根強く残っています。

もちろん今後、新しい画期的な言語や技術が出てくれば状況は変わるかもしれません。しかし2020年代半ばの現状では、Javaを取り巻くエコシステム(豊富なライブラリやフレームワーク、開発ツール群)は依然他の追随を許さない規模で充実しており、すぐに「Java離れ」が起きる兆候は見られません。むしろAIやクラウド時代に合わせてJavaもアップデートを続けているため、今後も安定した需要が続くでしょう。現役のエンジニアからも「焦って別言語に乗り換える必要はない。Javaを学ぶメリットは依然大きい」という声が多く聞かれます。

総合すると、Javaの将来性は明るいといえます。これからもエンタープライズ分野を中心にJavaは使われ続ける見込みですし、新たな分野へも対応できる柔軟性があります。したがって、これからプログラミングを学ぼうと考えている方にとっても、Javaは安心して選べる有力な選択肢となり続けるでしょう。

Javaを学ぶべきか?

ここまで見てきたように、Javaは初心者からプロまで幅広く使える汎用言語であり、エンジニア需要も高水準で安定しています。では実際問題として、これからプログラミングを学ぶ人はJavaを選ぶべきでしょうか。この章ではJavaを学ぶメリットと、初心者向けのJava学習方法について説明します。

Javaを学ぶメリット

1. 求人が多くキャリアの選択肢が広がる: 前述の通り、Javaエンジニアの求人市場はとても活発です。Javaスキルを持っていれば、新卒・転職問わず応募できる企業の幅が広がり、安定した職業選択が可能になります。特に大企業のシステム開発案件はJavaが主流のため、「とりあえずJavaを習得しておけば食いっぱぐれない」という声もあるほどです。

2. 大規模開発の経験を積みやすい: Javaは大規模プロジェクトでよく使われる言語です。そのためJavaエンジニアとしてキャリアを積めば、自然と大規模システム開発の経験を積むチャンスに恵まれます。大規模開発のノウハウは他の言語にも応用可能で、将来アーキテクトやリーダーを目指す上でも貴重な財産となるでしょう。

3. 学習環境が整っており初心者でも学びやすい: 世界中で使われている言語だけあって、Javaの学習リソースは非常に豊富です。入門書や学習サイトも多数存在し、日本語情報も充実しています。実際、Oracle社によると2017年時点でJava開発者は全世界に900万人以上いるとされ、その膨大なコミュニティのおかげで情報量が多く困ったときにも解決策が見つけやすいのです。また公式にOracle認定Javaプログラマ試験も提供されており、学習ロードマップが明確になっている点も安心です。

4. 他の言語習得にも役立つ: Javaの文法や概念は、C++やC#、さらにはPythonやJavaScriptなど多くの言語に影響を与えています。そのためJavaの基礎をマスターすれば、「オブジェクト指向」「例外処理」「ガベージコレクション」などプログラミングの普遍的な考え方を一通り学べます。これは今後他の新しい言語を学ぶ際にも大いに役立ちます。実際「Javaを習得すると他の言語も習得しやすくなる」と言われており、将来エンジニアとしてスキルの幅を広げる上でもJavaは良い出発点となります。

Javaの学習方法

Javaを学ぶと決めたら、具体的にどのように勉強を進めれば良いでしょうか。ここでは初心者におすすめの学習法やリソースを紹介します。

1. 開発環境を準備する: まずはPCにJava開発環境(JDK)をインストールしましょう。公式サイトから最新版のJDKをダウンロードし、Path設定などを行えば準備完了です。あわせてEclipseIntelliJ IDEAなどのJava対応IDEを導入すると、コード編集やデバッグが効率的に行えます。

2. 基本文法と概念を学ぶ: 最初はJavaの基本的な文法(変数・型、演算子、制御構文、クラスとメソッドなど)を学習します。入門書を一冊通読するか、オンラインの学習サイトでハンズオン形式で学ぶ方法がおすすめです。日本語の無料学習サイトでは「Progate」や「ドットインストール」、Codecademyやpaizaラーニングなどが人気です。スライド形式で基礎文法を学べるProgateや、短尺動画で手軽に学べるドットインストールは初心者にも始めやすいでしょう。書籍派であれば『スッキリわかるJava入門』や『独習Java』など定評ある入門書が多数あります。最初のうちは難しい概念(オブジェクト指向設計やスレッド処理など)は飛ばして、簡単なプログラムを書いて動かす体験を積み重ねることが大切です。

3. 小さなアプリケーションを作ってみる: 基本文法を一通り学んだら、理解を深めるために簡単なアプリケーション作りに挑戦しましょう。コンソールにメッセージを表示するだけのプログラムでも構いませんし、余裕があればGUIを使った電卓アプリや、簡易なTodoリスト管理アプリなどに挑戦しても良いでしょう。ポイントは、「自分で考えた機能をJavaで実装してみる」ことです。エラーに遭遇したら調べて解決する過程で知識が定着します。

4. フレームワークに触れてみる: Javaの基礎に慣れてきたら、Spring Bootなどモダンなフレームワークを使ったWebアプリ開発も体験してみましょう。例えばSpring Bootの公式チュートリアルに沿って、簡単なWebサービス(Hello Worldを返すAPIなど)を作成してみると、フレームワークの便利さを実感できるはずです。データベースを扱う場面ではHibernate (JPA)を使ってみるのも良い練習になります。この段階では難解な部分もありますが、フレームワークの全容を無理に理解しようとせず、「こんなことができるのか」と雰囲気を掴む程度で問題ありません。

5. 実践的な課題に取り組む: さらにステップアップするには、実践的なプロジェクトに挑戦するのが近道です。自分でアイデアがあればWebアプリやAndroidアプリを一から作ってみたり、GitHubで公開されているJavaのオープンソースプロジェクトに参加してみるのも良い経験になります。実務に近い形で開発を経験することで、コードの設計やリファクタリング、チーム開発の流儀なども身についていきます。

6. 必要に応じてスクールや講座を活用: 独学が難しい場合や体系立てて学びたい場合、プログラミングスクールの利用も検討しましょう。Java講座を提供するスクールは多数あり、教室型からオンライン完結型まで選択肢があります。国内でJavaが学べる人気スクールとして、DMM WEBCAMP侍エンジニア塾TechAcademyなどがよく名前が挙がります。スクールでは現役エンジニアの講師から直接指導が受けられ、挫折しにくい環境が整っています。費用は掛かりますが、短期間で効率的に実践力を身につけたい方には有力な選択肢です。

以上のように、Java学習の道筋としては「基礎文法 → 簡単なプログラム → フレームワーク体験 → 実践プロジェクト」と進めていくのが一つの王道パターンです。幸いJavaは学習コミュニティも大きく、困ったときはQ&AサイトやSNSですぐに助言を得られる環境があります。ぜひ自分のペースで楽しみながら学んでみてください。

まとめ

Javaは登場以来、一貫して**「業務で使える実用的な言語」**として進化を続け、現在に至るまで高い人気と需要を誇っています。初心者にとっては少し文法が厳密な面もありますが、その分しっかり基礎力を養うことができ、学習リソースも豊富なので習得しやすい環境が整っています。実際、Javaで培ったスキルは他の言語にも応用可能であり、キャリア形成において大きな強みとなるでしょう。

本記事では、Javaで何ができるのか、その活用分野をWeb・モバイルから金融・AIまで網羅的に紹介しました。また代表的なフレームワークであるSpring/Hibernate/Strutsの概要と事例、さらにJavaエンジニアの市場価値や将来性について解説しました。まとめると、Javaは汎用性が高く将来性も明るい言語であり、エンジニア志望の方が学ぶメリットは非常に大きいと言えます。

もし本記事を読んで「Javaを学んでみよう」と思われた方は、ぜひ今日から一歩踏み出してみてください。まずは環境を整えて簡単なコードを書いてみるところから始めましょう。幸い、前述したようにProgate等の優れた無料学習サイトがありますし、独学に不安があればスクールでプロの指導を受ける手もあります。重要なのは実際に手を動かして体験し、プログラミングの楽しさを感じることです。

Javaの習得には多少時間もかかりますが、その先には膨大な案件と活躍のフィールドが待っています。ぜひ腰を据えてチャレンジしてみてください。Javaを武器に、あなたのエンジニアとしての第一歩を踏み出しましょう!

お問い合わせや学習相談がある場合は、各種コミュニティやスクールの無料カウンセリング等も活用しつつ、自分に合った学習スタイルで進めてみてください。皆さんのJava学習の旅が実り多いものとなることを願っています。